下呂市小中学校事務共同実施・学校運営支援室  (ここは、「概要」のページです。)

 


 

学校事務の共同実施(学校運営支援室)について


下呂市小中学校共同実施検討委員会

共同実施導入の背景

 学校事務の共同実施は、平成10年9月の中教審答申の「今後の地方教育行政の在り方について」の中ではじめて提言され、第3章「学校の自主性自律性の確立について」の5「学校の事務業務の効率化」の具体的改善方策のひとつとして「学校の事務・業務の共同実施」があげられています。
 また、平成11年、13年に「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(義務標準法)及び同施行令を改正し、共同実施を想定した事務職員の加配を可能としました。
 学校の自主性・自律性を確立するためには、経営資源である「人・モノ・金・情報」を機能させながら充分に活用することが必要となりますが、現在はこれらの経営資源を学校自らが機能させ活用する体制が整っているとは言えない状況です。
 これを解決するために、平成16年の中教審答申では、「学校の組織運営の在り方について」の中で「学校の組織体制の再編整備」が示されています。
 ここでは、「事務処理体制の整備のために、拠点校に共同実施組織をおくこと」「その場合共同実施組織に事務長を置くこと」など制度化を進め、学校への権限移譲を進めて共同実施組織に予算を示達するなどにより効果をあげることが期待されています。

共同実施の導入と課題解決に向けた岐阜県の動き 〜下呂市へ〜

 これらの学校事務・業務への答申を受けて、岐阜県でも岐阜地区の「学校間連携」をはじめ各地で試行が行われてきました。飛騨地区でも高山市・飛騨市で加配を受けた共同実施の取り組みが始まっています。
 岐阜県事務職員研究会の24年度の調査では、約半数の学校が何らかの形で学校事務の共同実施を行っていることが分かりました。しかし、その取り組みにおいては、一定の成果はあげているものの、共同実施に対する事務職員の認識の相違や、学校間にまたがり行われるために業務内容が限定され、諸帳簿の点検や一部の事務処理の集中化にとどまってしまっているのが現状です。
 岐阜県事務職員研究会では、これらの学校内外からの期待と、県内で行われている共同実施の課題を整理し、これまで進めてきた共同実施(学校間連携)の取り組みを見直して、平成24年度から市町村の要綱に基づいた行政組織としての「学校運営室モデルプラン」の推進を行い県下同一の組織構成を目指しています。(別紙県事研資料参照)
 これにより、御嵩町をはじめ県内各地で、要綱に基づく行政組織としての共同実施の取り組みが始まっています。
 下呂市でも、このプランを学校運営支援の効果的な取り組みと捉え、学校事務の共同実施を推進したいと考えます。

学校運営支援室の役割

 「学校運営支援室」は、学校運営を支援することを目的とした、市町村教育委員会の要綱に基づいた行政組織です。支援室においては、市町村教育委員会が任命する事務長のもとで組織内や学校全体を見た効果的な運営を行います。また、支援室を指導・評価する上位機関としての「小中学校事務共同実施協議会」を設置することにより、学校や市町村教育委員会、地域の期待する学校運営支援を可能なものにします。
 今後は、これまでのような横並びで一律に管理された学校運営から、校長のリーダーシップのもと、自主的に校長の権限と責任において、学校の創意工夫や特色づくりを行い、多様性、個性の教育を実現する学校経営が求められます。学校の裁量権拡大の基盤のひとつとして、学校事務の共同実施組織(学校運営支援室)を機能させ効果をあげたいと考えます。
 一方、現在の学校事務職員の現実的な課題として、ほぼ単数配置のため、職務内容が個々の経験や資質、学校の規模に大きく左右され、職種の異なる上司の下で職務遂行上の実務的な助言が受けられないなどの課題があります。
 また、下呂市の学校事務職員の年齢構成は、50代以上が約半数、下呂市以外の事務職員も30%という現状で、5年後、10年後の人材育成も急務となっています。
 これらの課題を解決するためにも、共同実施組織は非常に有効であると考えます。

共同実施協議会の役割

 共同実施協議会は大きく二つの役割をもちます。一つは各支援室の業務の調整と指導監督。もう一つの役割として、これまで下呂市事務職員研究会では事務改善に効果的な実践が多くあり成果をあげていますが、任意団体であるために実行までに多くの手続きを要し、強制力を持たないため、全校に浸透していかない課題があります。行政組織である「共同実施協議会」では、学校事務の改善策の決定や学校運営に関わる有効な提案、情報提供ができるようになります。また、地域とともにある学校づくりを目指すコミュニティ・スクールへの対応も可能になります。

共同実施にかける願い

 共同実施(学校運営支援室)の推進は、事務職員だけの共同実施ではなく地域内の学校を緩やかなひとつの学校と見なし、教師や子どもの思いをくみ取る条件整備に、一人職の限界性を超えてチームとして関わり、資源の共有化、有効活用(学校行事等の情報を共有し活動支援)、教育の条件整備と教育活動を連携させる、つなげる活動をしながら、教育を支援する行政職員としての役割を果たしていきたいと考えます。
 教育の質を高め、子どもの学びと笑顔に貢献できる学校事務の理想像を描きながら、推進していきます。

必要となる法的環境整備
 市町村学校管理規則(共同実施組織設置・業務委託など)
 共同実施要綱(要項・組織・協議会)
 兼務辞令の交付
 学校財務事務取扱要綱(専決規定など)
 文書(情報)取扱い規程(共同実施で取り扱う文書・個人情報等)

 

1,学校運営支援室の目的

 責任ある事務処理体制の確立や充実及び学校経営への参画を図ることで、学校経営全般にかかる支援を行い、子どもたちの豊かな育ちを実現する学校教育の充実を目指します。

(1) 責任ある事務処理体制の確立

これまで事務職員が一人で行ってきた事務処理を組織化して適正化・効率化を図り、責任を持つ事務処理体制の確立を目指します。また、HP等を活用した情報発信・情報提供を行い、地域への説明責任を果たします。

(2) 学校事務の平準化及び改善

組織内の学校が事務処理を共同で行うことで学校規模や経験年数の差を埋めることができる等、どの学校(校長)にも同じレベルの事務を提供します(事務の平準化)。また、これまで個人ではできなかった事務処理システムの開発・各種様式や処理方法の統一等を、組織を活かして共同で行うことにより、学校事務の改善を図ります。

(3) 財務部門の確立

学校運営支援室に、予算編成及び運用における責任と権限を与えることにより裁量権を拡大し、校長の経営方針に沿った運用を行います。また、教師や子どもの思いをくみ取る教育条件の整備を推進し、真に自主性・自律性のある学校運営を支援します。

(4) 市教育委員会との連携促進

下呂市教育委員会では事務局が教育部門と行政部門別々に組織されており、また職員数が決して多くはなく、部局を超えた異動も多いため、教育委員会事務局と学校の教育行政事務の連携が十分とはいえない状況にあります。継続的に学校事務に従事する学校事務職員の知識や情報を教育委員会と共有することにより、学校予算の運用・安全に配慮した施設設備の管理等、学校事務職員が「教育情報スタッフ」として教育委員会職員と連携することで、地区全域の学校事務が充実・強化され、ひいては教育行政事務の改善につながります。

(5) 教育活動の支援

学校事務職員の専門的な能力を積極的に活用することで、学校内の全ての事務・業務を見直し、効率化を図って学校全体をスリム化し、教員がより一層児童生徒と向き合えるように支援します。また、教員と事務職員が協働し、教育の条件整備と教育活動を連携させることで教育活動の支援をします。

(6) 学校経営への参画、学校運営の支援

企画・運営委員会等を活用し学校の創意工夫や特色づくりを予算面から支援する提案を行っていきます。共同実施による組織的な事務処理体制によって、財務や情報のマネジメントが強化され、学校運営に有効な情報の提供や支援が可能になります。また、条例等の理解や条例改正への迅速な対応と人事・財務・情報管理の充実を図り、法令に沿ったより適正な学校運営の支援につなげます。

(7) 人材育成

共同実施組織で数多くの事例を体験し、事務長の指導の下、事務処理・対処・対応を行うことや、経験豊かな事務職員の手法を学ぶこと等、これまで一人職では経験できなかったOJTを行います。事務長が組織マネジメントを行いながら、学校事務全般にわたる指導・助言を行い、新規採用職員(臨時採用職員含む)等の育成をします。また、学校経営に参画する力量を養う研修を行い、人材の育成を図ります。

2.学校運営支援室の概要

(1) 構成

 市教委が定める要綱の下、行政組織として「下呂市小中学校事務共同実施協議会」(以下、共同実施協議会)と中学校区単位(もしくは2中学校区単位)の「学校運営支援室」(以下、支援室)を設置します。
 共同実施協議会は、市校長代表・中心校長・市教頭代表・市教委・統括事務長・事務長等をメンバーとして、市内の支援室に対して、年間計画の指示指導、業務内容の評価を行います。
 各支援室は共同実施協議会の指導を受けながら、共同実施中心校校長の監督の下に業務を行います。市教委が任命した事務長が支援室の業務のとりまとめを行うとともに、他の事務職員に対し調整及び指導監督を行うことになります。

(2) 運用

小・中学校で唯一の行政職である事務職員として、できるだけ学校にいることを優先し、教育活動と密接な関わりを持った学校事務を進めていきます。

(a)各支援室の直接の運営は、事務長が行います。支援室がその機能を最大限に発揮するためには、事務長を指導者として室員(事務職員)の指導・管理(適正な勤務管理と職務の分担を含む)及び各校の事務処理の運用を統括する等、事務長に一定の責任と権限を付与することが必要です。なお、複数の支援室を有するため、支援室間の連絡調整を行う必要から、統括事務長を置くことが望ましいと考えます。

(b)支援室内での共同処理を可能にするため、下呂市教育委員会は支援室を構成する学校の室員に兼務辞令を発令するよう、県教育委員会へ申請します。事務長が支援室構成校を随時訪問する等、情報を集約することにより、各校の事務の指導・支援を行います。事務長が行う職務分担により、室員が兼務校へ赴き、事務処理や支援を行う場合もあります。

(c)室員(事務職員)が集まって事務処理を行う日は、月に1~2回程度であると考えます。また、MAINを利用する等、集まらずに効率的に事務処理を行う方法を追究します。

(d)事務長の所属校には事務職員の加配等複数配置(常勤、非常勤、市町村)が望ましいですが、加配がない組織においては他校室員が事務長の学校の事務を行うこともあります。また、新規採用者は統括事務長の所属校への配置が望ましいと考えます。

3 業務内容

標準的職務内容の内、運営支援室で処理した方が効率的なものを精査し、処理します。子どもの豊かな育ちの実現を念頭に置き、学校運営を支援することにつながる支援室運営を行います。

(a)共同処理することで適正化・効率化ができる事務

文書収受事務
給与関係代理入力
旅費請求
予算執行関係事務(支出伝票等作成、物品の共同購入等)
公簿の点検 等

(b)事務処理方法・処理システムの統一、学校事務に対する各校同一の指導・助言

学校における内規・取扱要項等の原案作成
文書管理(起案決裁文書の作成の仕方やファイリング方法)
服務関係様式及び手続き
人事管理実務・給与事務手引き
施設設備・備品管理(設備管理マニュアル・備品登録・廃棄処理)
学校徴収金会計事務(集金・会計処理等)
就学援助事務
児童生徒情報管理
職員への情報提供(じむだより等)
学校HPの運営支援 等

(c)事務職員以外の担当職員と連携することで適正化・効率化できる事務の支援

学校全体の事務・業務の精選
児童生徒情報管理・学籍管理
教材教具の管理及び購入
施設・設備管理(安全点検、業者情報)
学校徴収金事務(集金・契約・会計処理等)
転出入事務
教科書事務
就学援助事務
各種事務処理ソフトの提供 等

(d)「学校経営に関する内容」に関する情報の提供

企画・運営委員会への提案事項
(財務情報、児童生徒情報、通達・通知の情報、地域の情報等)資料提供
予算委員会・会計委員会への資料提供(説明責任・地域要望・業者情報、物品情報)
施設設備維持管理(取扱要領・業者情報、データ提供、法令・通達)
管理職等からの要望に応える情報・データ提供 等

(e)学校事務において必要な研修や組織マネジメントの研修

事例研修、法規法令研修、施設設備に関する現地研修、ファシリテーション研修等

(f)市教育委員会事務局と学校の事務分担を再編し連携することで適正化・効率化を期待できる事務

予算編成、予算執行、予算管理
施設設備管理
就学援助手続事務
服務・人事事務手続(市職員、非常勤職員、休職・補充申請等)
学籍管理

(g)事務部門での新たな提案の検討

 

・学校事務の共同実施(学校運営支援室)について(PDF)